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前夜遅くワイフから山行許可を貰ったT氏。
「東沢乗越」道標・鉱山跡・堰堤・仲ノ沢径路に
決着つけるべし!と旅行前の子供のように
ワクワクして寝つけず、寝坊したと。
奮発してロマンスカーに乗り、谷峨まで行った
はいいが、バスが来ない。おかしいな?と
時刻表をよく見たら、待ってたバスは
「土曜運休」orz。んで、待つのも癪だから
峰発電所を外から見物し、山市場あたりまで
歩いてバス代を浮かし、玄倉着は10時半と(笑)

今日みたいな日は深入りせず裏山で遊ぶに限る、と
一度は確かめねばならないが、確かめる気にも
なりにくい「水圧鉄管」を実地見分した模様です。

ff283a51.jpeg
赤は実測
薄い桃色は推定
黄色が水圧鉄管

(クリックで少し拡大)



当日はGPSロガーも不調だったため、
当日の径路を推定して桃色に書き込み、
玄倉第1発電所の水圧鉄管を橙色で
塗りつぶした参考図だそうです。

0906201027.JPGまずはこんなときで
ないとお邪魔できない
「丹沢湖ビジターセンター」
に。





0906201032.JPG最近出版された「山北町史」と、
「丹沢だより」連載の福谷豊治氏
「鉱山跡」記事をざーっと拝読した
そうです。

福谷豊治氏の記事は力作ですね。
コピーしてくればよかったとT氏は
いいます。



以下「山北町史資料編(近世)」からちょい失礼致します。

0906201037_1.JPG永保元年(1673)7月21日
玄倉で銅が産出される









0906201039_1.JPG光文五年(1740)11月8日
藩が幕府に玄倉銅山の
採掘を上申する
(大岡越前守忠相日記)
大岡忠相は当時寺社奉行
だったそうです。



0906201040.JPG寛保二年(1742)10月22日
玄倉銅山の産出が減少する
(大岡越前守忠相日記)








0906201041_2.JPG延享元年(1744)5月22日
玄倉銅山の銅産出が減少し、
銅山事業の存続が困難に
(大岡越前守忠相日記)







解説記事によると、この後に「拝借金千両」の扱いが
問題となったとあり、どうも借金事業だったらしいです。
また、これ以降の玄倉銅山の動向を示す資料は確認
されていないそうです。
寂しい気もしますが、足尾の例を考えれば、銅なんか
出たら出たで大変でしたね。

山北町史刊行物のご案内
http://www.town.yamakita.kanagawa.jp/kurashi/sugata_choushi_kankouobutsu/main.html
最近は公的資金の成果物は「一定期間の後に無償公開」って
動きですから、こういうのもオンライン公開して頂けると
有難いですね。

0906201100_2.JPG峰発電所や余附の
発電所の記事は
ありましたが








玄倉の県営発電所の経緯は記載がなかった、といいます。
見落としたのでせうか?或いはこの辺が町史の限界でせうか。

というわけで、発電施設にムラムラのT氏は玄倉林道にGo!
玄倉第1発電所に。

0906201632_1.JPG12時ちょうど。
立入禁止とは
ありませんが、
侵入すると
怒られそうです。






これまでT氏は「導水管」とか「送水管」とか「放水管」とか
テキトーに呼んでましたが、業界では「水圧鉄管」と呼ぶ
らしいです。鉄じゃなかったらどうするんですかね?

0906201632_2.JPGそうですか、
ここを登れと?









0906201155.JPG堰堤があります。
ガレの上流に
もう一基見えました。
行きませんでしたが。





0906201201.JPG脇からの取り付きは
かなり大変でした。
というか危ないから
やめませう、と
T氏はいいます。




0906201208.JPG水圧鉄管が設置された
コンクリ土台の両側は、
頑丈な金網で保護されて
います。
金網はワイヤーで固定
されているので安定だが、
滑るので登攀不適だ、と
T氏はいいます。



0906201209_2.JPGときおりは施設の内部に
お邪魔します。階段を
見ると傾斜は50°程です。








0906201220_2.JPG鉄管には番号が
ついてます。
これを見れば
あとどのくらい
登るのかが
わかるそうです。



0906201212_2.JPG鉄管の接合部では
少し漏水があるそうです。
個々の鉄管はワイヤーで
引き上げたのでせうか?







0906201213.JPG中ほどまで
来ますた。







0906201221.JPG鉄管の右岸に
巨大な石が出現!
行く手を阻まれ、
やむなく施設の
階段に降ります。

何やら由緒あり
そうな巨石です。



こんなところは誰も立ち入らないはずカカカと、念のため
ネット上で検索すると、イガイガ師匠が調査済みでした↓
「玄倉の前尊仏」
http://igaiga-50arashi.at.webry.info/200712/article_3.html
鉄管上部についてはM-Kご老公が↓
http://www.geocities.jp/mk20030130/sanjintouge.htm


0906201223_2.JPG通り過ぎて
上から拝見すると
こんな感じ。
小さく写ってますが
高さ3mはある巨石です。
南面はヒビが入って
崩れそうでした。


建設時の発破と直射日光がじわじわ効いているのでしょうか。
目先の利益にとらわれず、観光の目玉の一つにでもしておけば
一般ピーポウ的には有難かったですねぇ。

0906201053_1.JPGそういえば町史の
現代編には
「砂利採取」について
こんな意見書も。





玄倉村三保支所長と玄倉部落長の連名による意見書(昭和38年)です。
鉱業よりも観光のための景観保全を優先すべき、という意見です。
今思えば卓見だったのではないでせうか!?
町史のコメントによれば、砂利採取は昭和43年に本格化し、46年には
列島改造ブームで砂利トラの往来が著しく増えた、とあります。

0906201232.JPG湖畔が見えて
きました。
ってこれも
人造ですね。。





このあたり、キャンパーたちの声がよく聞こえたそうです。
山に登ってると、ときどき人の声が聞こえてびっくりする、
アレは超音波に搬送されて遠くまで伝達した音波だ
http://www.mee.co.jp/sales/acoustics/kokodake/
と解釈していたが、今日の経験からするとむしろ上昇気流の
影響が強いかもしんない、などとT氏はいいます。

しかし、当日はご老公の一行が戸沢ノ頭を下って親子熊に
遭遇したらしいので、ひょっとするとその声が聞こえた?


0906201233.JPG我慢できずに
1回だけまたがって
みたそうです。
サビだらけで漏水
してるようだ、と
T氏はいいます。





漏水じゃなくて、水温が露点以下なんじゃまいか?と。

0906201239_2.JPG両側が
植林帯に
なりました。






0906201245_1.JPGターミナル駅に
到着です。









0906201245_2.JPG見下ろすと
こんな感じ。







0906201247.JPGプールがあります。
立入禁止ですが
遊泳も禁止と
思われます。





0906201248.JPGハハーンここで
いったん表に出して、
入ってるかも知れない
ゴミを取り除こうって
魂胆か、とT氏は
偉そうに解説します。



誰でもわかるって。

0906201251_1.JPG透明度は良好。
驚いたことに
魚影が。
10匹ぐらい
居たらしいです。




0906201251_2.JPG思わず
飛び込んじゃった
人のために(?)
浮き輪まで用意
されています。




0906201253_1.JPGゴミ取りは自動的に
やってるようです。
設備にはH15年の
プレートがありました。







0906201301.JPGプールの上から
見た之ゑ。
松ががんばって
ますが、土砂止め
はなく、山崩れも
たまにはありそう
です。


M-Kご老公の06年02月12日の記録(再掲)
http://www.geocities.jp/mk20030130/sanjintouge.htm
によると、冬場は発電休止して水も抜いて
あるようです。
ってかご老公、地下水路に降りてます(笑)

0906201304.JPGこの上は杉の
植林地です。







0906201317.JPG傾斜もほどほどで、
作業道(?)の
両脇は杉並木風。

マーキングが
頻出します。
観察会の
見学コース風
です。


0906201336.JPG30分程で
鹿柵出現です。
扉にテープが
あるのですぐ
わかります。
扉にネットは
ありません(笑)


ここまで平坦なので下りに使うと迷いそう。

0906201337.JPG鹿柵の前後で
植林が杉(推定)から
檜(推定)にかわります。








0906201353.JPG862ピークを過ぎて
また鹿柵ですが
傷んでて用を
なしません。





0906201400.JPG新品の立て看が。
協定林ってことは
私有地でせうか?
無断立入相済み
ません<(_ _)>




0906201401_2.JPG続いて現れる
安っぽいプラ製
鹿柵。
随所で倒れて
ます。




0906201408.JPG対面に崩壊地?
954ピークの
南西尾根の
斜面です。
何やら人為的
な気配です。



0906201410.JPG954ピークに
向けて、プラ製
鹿柵に沿って
移動します。





0906201413.JPGこのあたり、
最近植林した
ようですが
ことごとく枯れ
てます。
プラ鹿柵も
この期のもの?


0906201414.JPGプラ製ですから
倒木で倒れる
のは当たり前。






0906201416.JPGごく一部に
いい感じの
尾根があります。
植林前は一帯
こんな雰囲気
だったのでせう。



0906201417.JPGこのプラ鹿柵、
トンデモな手抜き
工事です。
これ見て下さい。
なんと木の窪みに
かけただけ(笑)



0906201418_2.JPG枯れ木にかけた
部分は、当然ながら
枯れ木とともに
じぇーあーる倒壊
なんつて。






0906201418_3.JPGプラ杭が
足らなかったか
杭打ちの手間を
惜しんだか。





0906201418_4.JPGええ、ええ、
私有地なら
一向に構わん
のです。





0906201420.JPGただ、畏れながら
申し上げますれば、
これは所謂ひとつの
素人仕事では?と。







0906201423.JPGプラ杭もこんな
構造ですから、
ヒトが登らんでも
風で揺すられると
そのうちポッキリ
折れるでせう。





0906201428.JPG小動物が無理に
くぐり抜けた穴。
(見にくくて
恐縮です)





0906201434.JPG954ピークの
稜線に
乗りました。






0906201439_1.JPGと思ったら、
またプラの鹿柵が。
これ、わざわざ隙間を
つくってます。
ヒトの通過用でせうか。
鹿柵の意義を知らない
施工者です。




0906201439_3.JPG工事のゴミも
捨て放題。
モラルのない
施工者です。
発注側もロクに
検収してない
です。


私有地なら笑うだけですが。 ん?
私有地ならむしろしっかり検収しますね?
まさか公有地の無責任事業?

0906201443.JPG954ピークは
どこだかわかり
ませんでした。
居心地もよくない
ので山神峠付近を
目がけて適当に
降ります。


結構急斜面です。

0906201445.JPG見当を間違って
ガレ地をトラバース。。
気のせいか荒れ方も
人為的な匂ひが。。





0906201448_1.JPG山神峠の上の鉄塔に
無事到着です。
あれ?これって玄倉
第2発電所の送電線
ですよね?
送電線の管理も
デンコちゃんに
丸投げなんですね。



0906201451_3.JPG山神さま、
俗界は
いろいろ
あるよう
です。




0906201452.JPGさて、ここから
どうしませう?
玄倉第1発電所の
取水口を見たい
ところですが。




0906201457.JPG時間も15時ですし、
境隧道の上に出る
破線ルート、これ
まだ行ったことが
ないので、これに
しませう。



(追記)最近、松田警察署の「ニシタンだより」が
このルートを取り上げています↓
http://www.police.pref.kanagawa.jp/ps/71ps/71pic/71mes900_68.pdf


0906201502.JPG少し行くと崩壊地が
ありますが、山神峠
~雨山橋ルートに
比べればなんでも
ありません。
カモシカ走りも
不要です。


0906201503.JPG下の廊下っぽい
ところもあります。







0906201506.JPGミニ崩壊地が
もう一つ。
倒木がホールドに
なってくれます。





0906201512.JPGアッー
また例の
プラ鹿柵が。






0906201514_1.JPG小動物が
抜けた穴。
今度はよく
写ってルん
です。




0906201514_2.JPGあれ?
下に見える
のは、
まさか車道?





shadowではなさそうですが。
なんつて。
しゃーどうでせう?
もういいって。しゃどうなら。

0906201515.JPG先ほどの
崩壊斜面が
別角度から
見えます。
発破かけた
まんま。
また崩れますよ。。


0906201520_2.JPG伐採地に
出ました。







0906201522.JPG新しい
切り株です。







0906201529.JPG作業用車道の
ヘアピンに
近づいてみました。
GPSログが
あるので便利
ですね。



0906201532_4.JPG境界見出標が
打ってあり









0906201532_2.JPG右手に自然林
(ワンバンババッバ)







0906201532_1.JPG左手に植林
(ワンバンババッバ)







0906201532_3.JPG(仮称)
他人の二人尾根






【ご参考】
http://www.youtube.com/watch?v=xzEca2Sxyyw
奇しくもテキ~ラさんがゴーラ沢出合から1065ピークを
含む尾根上でもっと明瞭なのを報告されています↓
http://blogs.yahoo.co.jp/tequila4392/41004941.html

0906201533.JPGしばらくすると
傾斜がきつく
なります。
と、階段を
用意して
くれてます。


これはこれはどうもご丁寧に。。

0906201536_1.JPGお手数おかけ
しまして
どうも。。






0906201536_2.JPG平坦な岩尾根も
あって、お若い頃は
さぞお美しかった
かと。。





0906201543.JPGご機嫌で進むと
沢の音が大きく
なってきました。
これを行くと
玄倉川の崖です。






0906201547.JPG少し戻ると、
マーキングの
テープをした
木が倒れて
ました。



迷うこともないでしょうが、倒木で通せんぼしときました。
写真の右手に木の階段があり、これが境隧道への道ですた。
まっすぐ行くと玄倉川に突入します。
昭文社の地図では点線ルートが尾根の先まで行ってるように
ありますが、これは間違いですね。もっと手前で折り返します。

0906201549_1.JPG古い木橋も
まだまだ通れます。









0906201549_2.JPG林道から
見える
崩壊気味の
斜面を
通過すれば




0906201550_2.JPG玄倉林道に
合流です。
(出口を林道
から振り返
って見る)




0906201551.JPG楽しめました。
ありがとう。
玄倉に戻りませう。








0906201555.JPGどうもここが
あの作業用
車道の
入口っぽい
です。




0906070846_1.JPG拡大しませう。
なるほど、管理者は
「玄倉共有林管理者」
ですか、φ(..)メモメモ
「落石注意」って
アンタ落石は刈払が
原因じゃないでせうが!




"玄倉共有林管理者"でググったら、なんと
s-ok御大が紹介されてたのはこれだったんですね!
http://www.geocities.co.jp/Outdoors-River/4341/yama2005/tan/090105isesawa/090105isesawa.htm
現場に行ってみないと意義、というか深刻さがわかりません。。
(s-ok御大の上記ページのトップの写真を提供したのは
うちのT氏(仮名)ではありません。別の方です。)

poorな鹿柵素材選定、手抜き工事、ゴミ放置に現れるモラル、
山崩れを誘発しそうな「崩れたらそんときゃそんとき」的な
林道工事。。。
これってまずくね? とT氏は珍しく深刻です。

3533a15f.jpeg最近の国土地理院の
地形図には、作業用の
車道と思しき線が
クッキリとありますね。
ヘルメット持参で検証
する価値と権利と
義務と野次馬根性が
納税者にはある、
などとT氏はまた訳のわからないことを申します。

0906201609_1.JPG16時。
玄倉林道の
ゲートには
まだ車が
残ってました。




0906201614.JPGこれが例の
「鉱山インジ
ケーター」
ですか?





確かに鉄っぽいですね。
しかし、ここを掘るより砂鉄を集めるほうが
効率が良さそうです(笑)

寝坊しつつも、T氏は今週も丹沢を満喫したようです。
いや~丹沢ってホントにいいところですね(はぁと)
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境隧道への道
紳士改めS脇です。昨年私も蕗平橋から山神峠へ行き、境隧道目指して進みました。
ところが左に鹿棚のある尾根を下った後に林道に出てしまいそれを延々と降りていったのでした。
機会があれば隧道から登ってみたいと思います。
それにしても玄倉林道はどうなってしまうんでしょうかね・・。
S脇 2009/06/24(Wed)11:35:15 編集
Re:境隧道への道
紳士改めS脇さま
こんにちは。その後いかがお過ごしですか?

玄倉林道の今後は興味ありますよね。
ビジターセンター滞在時に
「これからどうなる?」
と質問していた方がおられました。
「本年度中に着工すると聞いているが
実際に工事が始まるかどうかはわからない」
という返答が聞こえました。
2月にユーシンロッジの週末ボランティア
管理人さんに伺った話では、トンネルを
もっと奥に掘り直す方向のようです。
調査→計画→予算策定→(環境アセスメント)→決定→(談合)→工事
。。。抜き打ちで進めない限り、結構な
時間がかかるのではないでしょうか?

林道に出たのは伐採地付近ですね?
正規の登山道も面白くはないかも知れません。
V派的には玄倉川が迂回している尾根を
(崖に注意して)愉しんでみたいところです。

うちのT氏は逆に今度は作業道を辿る気満々です(笑)
T.I. 2009/06/25(Thu)00:59:35 編集
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